

2025年11月27日
まず読みたい記事特定技能『介護』徹底ガイド ~制度概要から採用ノウハウまで全てわかる!~
日本の介護業界では深刻な人手不足が続いており、高齢化のピークとされる2025年頃には約38万人もの介護人材が不足すると予測されています。実際、厚生労働省の調査では2023年度の介護職員数が212.6万人と前年度より約2.8万人減少し、2000年の介護保険制度開始以来初の減少となりました。
こうした状況を受け、政府は2019年4月に新たな在留資格「特定技能」を創設し、外国人材の受け入れ拡大に乗り出しました。特定技能制度は18業種で導入されており、その中でも「介護」分野は即戦力となる外国人の受け入れが期待される重要分野です。
本記事では、介護施設の採用担当者の方向けに特定技能「介護」の制度概要から採用のメリット、注意点、具体的な採用手順、さらに採用後のフォロー・定着支援のポイントまでを分かりやすく解説します。介護現場の人手不足解消策として注目される外国人材の活用について、本記事を読むことで必要な知識とノウハウがすべて理解できるはずです。
特定技能「介護」とは? – 制度の概要・対象者・在留条件・取得要件
特定技能「介護」は、人手不足が深刻な介護分野において一定の専門知識・技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。2019年4月の制度開始以来、飲食料品製造や建設等と並ぶ18分野の一つとして介護分野で導入されました。従来の技能実習制度と異なり、「即戦力となる外国人材」を労働力として受け入れることを目的としている点が特徴です。
対象となる外国人(取得要件)
特定技能介護の在留資格を取得できるのは18歳以上の外国人で、一定の介護スキルと日本語能力を有する方です。その証明のために通常、以下の試験合格が求められます。
· 介護技能評価試験 – 介護現場で必要な基礎知識・技能(介護の基本、こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術)について筆記試験で評価。
· 介護日本語評価試験 – 介護現場で用いる語彙や会話、記録の読み書きなど日本語運用能力を測る試験。
· 日本語能力試験N4相当 – または国際交流基金日本語基礎テストA2相当以上の一般日本語能力証明。
上記の技能試験および日本語試験に合格することで、特定技能介護の資格要件を満たすとみなされます。
なお例外として、技能実習2号(介護職種)を良好に修了した外国人については、試験免除で特定技能1号(介護)に移行することが可能です。つまり、技能実習で約3年間介護業務を経験し所定の成果を収めた方であれば、新たな試験を受けずに特定技能へ資格変更できる仕組みになっています。
特定技能介護の受け入れ対象となる業務は、介護施設等における介護業務全般です。具体的には、利用者の入浴・食事・排せつ介助等の身体介護や、レクリエーションの実施、機能訓練の補助、清掃などの生活支援業務が含まれます。基本的に日本人の介護職と同様の現場業務に従事できますが、後述するように訪問系サービス(利用者宅で行う訪問介護等)には原則従事できない点に注意が必要です(記事執筆時点)。
在留条件・雇用条件
特定技能「介護」は特定技能1号に分類され、その在留期間は通算で最長5年と定められています(1年ごとの更新制等)。介護分野については現時点で上位区分である特定技能2号への移行は認められておらず、家族帯同も原則認められません(特定技能1号は扶養家族の入国不可)。したがって、特定技能として働ける期間は最大5年間であり、引き続き就労する場合は介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」を取得するなど別の道を検討する必要があります。
雇用形態に関しては直接雇用のみが認められています。派遣社員など間接雇用での受け入れは介護分野では認められていません(農業・漁業分野以外は派遣NGと規定)。また、受入施設は適正な労働契約を締結する必要があります。契約上の所定労働時間は日本人従業員と同等でなければならず、賃金も同等以上を保証する必要があります。外国人であることを理由に給与額や待遇・福利厚生で差別的な扱いをすることは禁止されており、教育訓練や社宅利用などあらゆる面で日本人と同等の待遇とすることが求められます。
さらに受け入れ数にも留意が必要です。介護分野では事業所ごとの常勤介護職員数を上限としてしか特定技能外国人を受け入れできません。この「常勤職員」には日本人だけでなくEPA介護福祉士や在留資格「介護」で働く外国人、永住者等も含まれます。例えば常勤の介護職員が日本人5名の施設なら、特定技能で受け入れ可能な人数も5名までとなるわけです。ただし技能実習生や留学生などは常勤職員数に含めなくて良いというルールがあります。
以上が特定技能介護の制度概要です。まとめると、「介護技能試験+日本語試験に合格した18歳以上の外国人」が最大5年間、介護施設等で日本人と同等の待遇で介護業務に従事できる制度と言えます。次章では、この制度を活用して外国人介護人材を採用することで施設にもたらされるメリットについて見てみましょう。
採用メリット – 特定技能外国人を受け入れる利点
深刻な人手不足に直面する介護現場において、特定技能介護人材の採用には多くのメリットがあります。ただ単に人手を埋めるだけでなく、職場環境やサービス向上にも好影響を与える点が注目されています。主なメリットを順に挙げます。
- 即戦力となる人材の確保: 特定技能制度は「人材を確保することが困難な分野」において外国人を受け入れる制度であり、採用難のポジションにも積極的に応募してもらえる傾向があります。試験合格者は基本的な介護知識・技能と日本語力を備えているため、現場で即戦力として活躍が期待できます。「深刻な人手不足の中で即戦力人材を機動的に確保できる」という点は、外国人採用最大のメリットと言えるでしょう。
- 若く意欲的な人材が多い: 特定技能で来日する介護人材の多くは20~30代の若者です。母国で日本語や介護を一生懸命学び、「日本で働きたい」「スキルを身につけたい」という高いモチベーションを持って来日します。向上心やハングリー精神が強く、仕事に対する熱意が高い人材を確保しやすい点もメリットです。そうした姿勢は日本人職員にも良い刺激となり、職場全体の士気向上や活性化につながるケースもあります。
- 人員配置の安定とサービス向上: 人手不足が解消され十分なスタッフ数を確保できれば、職員一人ひとりの業務負担が軽減されます。その結果、余裕を持ったケア提供が可能となり、利用者へのサービス品質向上や事故防止にも寄与します。また日本人職員の離職率低下にもつながります。慢性的な人手不足が解消されることで残業や過重労働が減り、働きやすい環境になるためです。「外国人人材を採用して本当に良かった。言語や文化の違いによる問題も特になく、今では日本人職員ともプライベートで仲良くしており安心している」という施設長の声もあります。外国人採用が結果的に既存職員の定着にもプラスに働く好循環が期待できます。
- 多様性による職場の活性化: 異なる文化的背景を持つ人材が加わることで職場に多様な視点が生まれます。利用者とのコミュニケーションにおいても、「外国の方に日本語を教えてあげることが日々の楽しみになった」という高齢者もいるなど、現場に新しい風が吹き込まれることがあります。初めは利用者や家族から不安の声があっても、誠実に仕事へ取り組む姿を見て信頼関係が生まれ、今ではかけがえのない存在になっていると評価される外国人職員も少なくありません。このように、多様な人材が協働することで職場全体のコミュニケーションが活発化し、組織の柔軟性や対応力が高まるメリットもあります。
- 国の支援制度・助成金の活用: 特定技能外国人の受け入れ企業には、国や自治体から様々な支援策が用意されています。例えば厚生労働省は初めて特定技能を受け入れる中小企業に対し、受け入れ初年度の日本語指導や生活支援費用を1人当たり最大50万円補助する制度を創設しました。また「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備コース)」など、外国人を受け入れる企業が就労環境整備や日本語研修を行う際の費用補助制度も利用できます。これらを活用すれば、外国人採用に伴うコストや負担を軽減しつつ、人材を戦力化することが可能です。
以上のように、特定技能「介護」人材の採用は人材確保以上のメリットをもたらします。即戦力の若手人材を得られるだけでなく、現場の余裕創出やサービス向上、職員の意識改革など様々な好影響が期待できます。もっとも、制度を有効活用するにはいくつか押さえておくべき注意点もあります。次章では、採用担当者が事前に知っておきたい特定技能介護人材受け入れの注意事項を解説します。
採用時の注意点 – 制度利用上の制限事項や確認すべきポイント
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特定技能「介護」人材を受け入れるにあたっては、制度上のルールや実務上の注意点をしっかり把握しておく必要があります。違反があると在留資格が認められなかったり、受け入れ後のトラブルにつながる可能性もあります。主な注意点を以下にまとめます。
- 業務範囲・勤務先の制限: 特定技能1号(介護)は訪問系介護サービスには原則従事できません。具体的には、利用者の自宅等で行う訪問介護(ホームヘルプ)や訪問入浴、訪問看護補助といったサービスには当面就けない運用でした。また利用者宅でのサービス提供が中心となる住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅等も、特定技能の配属先として認められていません。ただしこの点は最近一部緩和され、2025年4月より一定の条件下で訪問系サービスへの従事が可能となりました。具体的には「介護職員初任者研修修了」+「施設で1年以上の実務経験」がある特定技能外国人について、所定の研修実施や責任者の同行指導、ハラスメント相談窓口設置等の条件を満たすことで訪問介護業務への従事が認められます。実施には事前に計画書の提出が必要になるなどハードルは高いですが、将来的には訪問分野でも外国人が活躍できる道が開かれつつあります。このように配属可能な業務・施設には制限があるため、受け入れ前に自社の介護サービスが対象範囲か必ず確認しましょう。
- 直接雇用の原則: 前述の通り、特定技能介護は派遣や請負では雇用できません。必ず受け入れ施設が直接雇用する必要があります。例えばグループ企業間であっても、一旦採用した外国人を他施設へ派遣して働かせることは認められません(介護分野は派遣対象外)。雇用主となる法人・事業所が変わる場合は在留資格の変更手続きが必要になるため、採用計画時に注意してください。
- 適正な労働条件の確保: 外国人だからといって低賃金で雇用したり、不利な労働条件を課すことは許されません。報酬額は日本人同等以上と法令で定められており、基本給だけでなく各種手当・残業代・賞与など総合的に見て同等水準にする必要があります。また日本人には利用させている社宅や福利厚生施設を外国人だけ使わせないといった差別的待遇も禁止されています。当然ですが労働基準法や社会保険の適用も日本人と同様です。加えて、契約に違約金を盛り込んだり、早期離職防止の名目で保証金を預かる行為も禁止されています。こうした法令順守・公平な待遇は受け入れの大前提となります。
- 受け入れ企業の要件チェック: 特定技能外国人を受け入れる企業側にも満たすべき要件があります。例えば「直近5年間に入管法や労基法違反で処罰を受けていない」「直近1年以内に特定技能外国人と同種業務の日本人を人員整理等で解雇していない」などの欠格事由が定められています。また過去に技能実習生の失踪者を出していないか、といった点もチェック対象です。受け入れ申請時にこれらの企業要件を申告し、不適格と判断されれば許可は下りません。事前に自社の状況を確認し、問題がある場合は改善策を講じておきましょう。
- サポート体制の整備(支援計画): 特定技能1号で外国人を受け入れる場合、受け入れ企業には「1号特定技能外国人支援計画」を策定・実施する義務があります。具体的には、入国前の情報提供、入国時の出迎え、住宅確保の援助、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談受付、日本人との交流促進、転職支援(やむを得ない場合)、定期面談、各種行政手続き補助…といった10項目の支援を継続して行う必要があります。これらは法律で定められた義務であり、実施状況は入管当局へ定期報告されます。受け入れ企業自身が支援を実施することも可能ですが、支援内容は多岐にわたるため、実際には専門の登録支援機関へ委託するケースが多いです。例えばJQCのような登録支援機関に委託すれば、事前ガイダンスや生活相談、日本語学習支援から煩雑なビザ申請手続き代行までまとめて任せることができます。自社で対応するのか委託するのか、支援体制をどうするか事前に決めて準備しておくことが大切です。
- コミュニケーションと言語の壁: 採用時点でN4レベルの日本語力があるとはいえ、やはり現場での細かな意思疎通には最初苦労する場合があります。方言や専門用語、高齢者の聞き取りづらい話し方など、外国人にとって難易度の高い場面も多いでしょう。採用側の注意点として、現場でのコミュニケーション支援策を用意しておくことをおすすめします。例えばやさしい日本語で話すよう職員に周知する、指示をイラスト付きマニュアルで伝える、あるいは翻訳アプリを活用する等です。文化の違いによる認識ズレ(たとえば礼儀作法や報連相のタイミングなど)についても、最初に丁寧に教えることで円滑なコミュニケーションが図れます。受け入れ側の歩み寄りが、外国人職員の力を十分に発揮してもらうための鍵となります。
以上が主な注意点です。要約すれば「制度上の禁止事項・制限を守り、受け入れ前の準備を怠らないこと」が重要です。次に、実際に特定技能介護人材を採用するまでの一般的な手順を、5つのステップに分けて見てみましょう。
採用までの流れ – 5ステップでわかる受け入れ手順
外国人介護人材を受け入れる際の基本的な流れを、順を追って解説します。初めての方でもイメージしやすいよう、ここでは5つのステップに整理しました。
- 受け入れ可能か事前確認する
まずは自社が特定技能介護の受け入れ対象になっているかを確認しましょう。前述のとおり特定技能は介護を含む18分野に限られます。介護業種であっても、提供しているサービス内容や施設形態によっては受け入れ不可の場合があります。具体的には訪問介護サービスや住宅型有老ホーム等は原則対象外です(2025年以降は一定条件下で訪問サービスも可能になりましたが慎重な検討が必要)。また受け入れ人数が常勤職員総数を超えないか、外国人を配置しようとする部署・業務内容が適切か、といった点も確認します。受け入れ条件を満たしている業務・人数計画かどうか、ここでしっかりチェックしておきましょう。 - 受け入れ企業の要件整備・支援計画の準備
次に自社(受け入れ機関)の要件を確認します。労働法令の遵守状況や過去の雇用状況に問題がないか、欠格事由に該当しないかを洗い出しましょう。問題があれば是正措置を講じ、受け入れ基準を満たす状態に整備します。また支援体制をどうするかもこの段階で決めます。自社で特定技能1号の支援業務(生活オリエンテーションや相談対応等の10項目)を行うのか、それとも登録支援機関に委託するのかを検討しましょう。支援を委託する場合は、信頼できる登録支援機関と契約を結びます。あわせて1号特定技能外国人支援計画書を作成します。支援内容や担当者、実施方法などを具体的に記載した計画書で、後の在留資格申請時に提出が必要です。受け入れ企業側の準備として、このような社内体制の整備と書類準備を済ませておきます。 - 人材の募集・選考を行う
続いて該当する外国人材を募集・選考します。大きく分けて、日本国内にいる候補者を採用するケースと、海外から新たに呼び寄せるケースがあります。国内在住者としては、技能実習を修了した元実習生や現職から転職を希望している特定技能生などが考えられます。こうした人材はすでに来日しているため面接や採用手続きが比較的スムーズです。一方、海外から募集する場合は、自社で求人情報を発信したり、海外の送り出し機関・人材紹介会社(例えばJQCなど)を活用して現地で面接会を実施する方法があります。いずれの場合も重要なのは、候補者が特定技能介護の取得要件を満たしているかの確認です。つまり「介護技能評価試験・日本語試験に合格済み」または「介護分野の技能実習を良好修了」などの条件をクリアしているかを確かめます。資格証明書や合格証の写しを提出してもらうとよいでしょう。書類選考・面接を経て、採用したい人材が決まったら内定(雇用契約の締結)に進みます。勤務地や仕事内容、給与・雇用条件を説明し、双方合意のうえで雇用契約書を結びます。なお契約書は日本語と候補者の母語など理解できる言語で作成し、内容を十分理解してもらうことが大切です。 - 在留資格の申請手続きを行う
採用が内定したら、在留資格取得の手続きに入ります。海外在住者を新規に呼び寄せる場合は、まず入国管理局へ在留資格認定証明書(COE)を申請します。雇用契約書や支援計画書、会社の概要資料、候補者の試験合格証など必要書類一式を準備し、地方出入国在留管理局に提出します。申請から概ね1~3ヶ月で認定証明書が発行されるため、それを候補者に送付し、候補者は現地の日本大使館・領事館でビザ発給手続きを行います。一方、国内在住の候補者を採用する場合は、地方入管局での在留資格変更許可申請となります(COEは不要)。いずれの手続きでも書類不備なく進めることが重要です。また入国前のビザ申請時には、特定技能所属機関(受け入れ企業)は各分野ごとの特定技能協議会への加入手続きも行います。煩雑な申請業務に不安がある場合は、行政書士や登録支援機関に申請取次を依頼することもできます。例えばJQCでは登録支援機関として受け入れ企業に代わり煩雑なVISA申請手続きも対応しています。プロのサポートを受ければスムーズに許可が得られるでしょう。無事に在留資格「特定技能(介護)」が許可されたら、晴れて就労可能となります。 - 来日・入社後の手続きを行い就業開始
在留資格の許可後(海外からの場合はビザ発給後)、候補者が来日します。入国時には空港での出迎え(ピックアップ)を行い、住居まで送り届けます。その後、受け入れ施設において入職時のオリエンテーション(生活・就業に関する説明)を実施します。例えば勤務シフトや業務手順の説明、社内ルール・就業規則の周知、緊急連絡先の確認、日本で生活する上でのマナーや交通機関の利用方法説明など、多岐にわたります。併せて役所での住民登録や健康保険・年金の加入手続き、銀行口座開設など日常生活のセットアップも支援します。職場では先輩職員によるマンツーマン指導体制(プリセプター制度等)を敷き、業務に慣れるまでしっかりサポートします。また入管への定期報告(四半期ごとの就労状況報告書提出)も忘れず行いましょう。こうした初期対応を終えれば、いよいよ外国人職員は現場で本格的に就業開始となります。以降も定期的に面談を実施し、困り事がないかフォローしながら勤務を続けてもらいます。
以上が採用までの大まかな流れです。要所要所で専門的な手続きが登場しますが、登録支援機関や行政書士等のサポートを得れば負担を軽減できます。次章では、採用後に実際に外国人職員が長く活躍できるようにするためのフォローアップと定着支援のポイントについて解説します。
採用後のフォローと定着支援 – 長く戦力になってもらうために
外国人介護人材を受け入れた後、できるだけ長く安心して働き続けてもらうためには、受け入れ側の継続的なフォローと支援が欠かせません。文化や言語の違いからくる不安を取り除き、職場に定着してもらうためのポイントをいくつかご紹介します。
言語・コミュニケーション支援
日本語力の向上支援は最重要課題の一つです。働きながら日本語学校に通わせたり、オンライン講座を受講させたりすることも検討しましょう。業務内でも日常会話や専門用語を教える場面を意識的に作り、語彙を増やせるようサポートします。また職員側にも「やさしい日本語」を使ったコミュニケーションを推奨し、難解な表現を避ける工夫が必要です。例えば敬語表現を簡素化したり、業務指示は短く区切って伝えるだけでも相手の理解度は大きく向上します。定期的に意思疎通に問題がないかヒアリングを行い、必要に応じて通訳支援や翻訳ツールも活用しましょう。言葉の壁を皆で乗り越える姿勢が、外国人職員の安心感と職場への信頼感につながります。
生活面のサポート・文化理解
異国で働く上で、仕事以外の生活面での不安も定着を左右します。住居の確保・維持や日常の買い物、病気になった時の対応など、困りごとがあればすぐ相談に乗れる体制を整えておきます。プライベートの悩みも気軽に話せるよう、人事担当や先輩職員が定期的に声掛けをすることが大切です。また日本の文化・習慣についても時間をかけて教えていきます。同時に、受け入れ側の日本人も相手の母国文化への理解を深める努力をしましょう。例えば宗教上の理由で食べられない物がある場合は給食メニューを配慮する、祝祭日に休暇取得を支援する等です。お互いの文化を尊重し合う職場風土を醸成することで、外国人職員は「受け入れられている」という安心感を持ち、職場に愛着を感じるようになります。
教育体制・キャリア支援
外国人職員もキャリアアップの展望を持てるよう、教育・研修機会を提供しましょう。日本人職員向けの社内研修に積極的に参加させるのはもちろん、介護福祉士国家試験の受験資格取得を支援する方法もあります。特定技能として数年経験を積んだ後、専門学校に進学して介護福祉士資格を取得し、在留資格「介護」へ切り替えたケースもあります。資格取得すれば在留期間の上限もなくなり、将来的には永住も視野にキャリアを描けます。こうしたステップアップの道を示し、必要な場合は学校選びや受験勉強の支援も行いましょう。資格取得まではいかなくとも、例えばリーダー職への登用制度を設けたり、勤務年数に応じて昇給・昇格のチャンスがあることを伝えることもモチベーション維持に効果的です。「頑張れば将来○○になれる」という目標を共有できれば、本人の成長意欲を引き出し長期定着につながります。
メンター制度・相談体制
入社後しばらくはメンター(指導担当)をつけてマンツーマンで業務フォローすることが多いですが、それ以降も定期的にサポートできる仕組みを維持します。仕事上の悩みから生活上の困り事まで何でも話せる「よろず相談係」のような先輩を指定しておくと安心です。加えて、ハラスメントや差別的扱いが万一起きてしまった場合に備え、相談窓口を社内外に用意しておくことも重要です(これは訪問介護解禁の条件にも含まれています)。本人が言い出しにくい場合もあるので、周囲の職員も変化に気づいたらフォローするなどチーム全体で支える意識を持ちましょう。「困ったら必ず誰かが助けてくれる」という環境は、外国人職員の心の支えとなり、離職予防につながります。
仲間づくり・交流支援
職場内で孤立しないよう、仲間づくりの場を設けることも大切です。社内イベントやレクリエーションに積極的に参加してもらいましょう。可能であれば同郷の外国人同士の交流機会を作るのも有効です。他施設も含めた外国人介護職の交流会や情報交換の場があると、お互い励みになり安心感が生まれます。
JQCでは自社で教育した特定技能人材のOBOGネットワークを構築し、日本で働く卒業生同士が交流・支え合えるよう幅広く支援しています。こうした手厚いサポートにより、JQCから来日したカンボジア人介護人材の失踪率は0%、就職後も最大5年間安定して勤務し続けています。このように仲間と支え合える環境があることは、外国人職員の不安解消と定着に大きく寄与します。
以上、採用後のフォローアップ策をまとめました。ポイントは「不安を取り除き、働きがいを高め、仲間として受け入れること」です。適切なサポートを行えば、外国人職員は日本人以上に高い定着率を示すことも十分可能です。
実際、「最先端の介護技術や高品質な日本語教育を施し、日本の介護哲学まで教え込まれた外国人材は非常に優秀で、受け入れ施設にとって欠かせない戦力になっている」という声もあります。外国人職員が長く能力を発揮できるよう、受け入れ側も粘り強く伴走していきましょう。
まとめ
介護分野における特定技能制度の概要から採用ノウハウまで、一通り解説してきました。ポイントを振り返ると、特定技能「介護」は深刻な人手不足を補う有効策であり、適切に活用すれば即戦力となる若手外国人材を安定的に確保できます。そのためには制度ルールの理解と遵守、受け入れ前の周到な準備、そして採用後の丁寧なフォローアップが欠かせません。逆に言えば、これらをしっかり行えば外国人職員は日本人職員にも劣らぬ戦力となり、利用者や職場にとってかけがえのない存在となり得ます。
特定技能介護人材の受け入れを検討中の施設様は、ぜひ一度具体的な計画を立ててみることをおすすめします。まずは受け入れ可能人数や配置先の業務を洗い出し、人材要件を確認した上で、実際の採用に踏み出してみましょう。
「とはいえ自社だけで進めるのは不安…」という場合もご安心ください。JQCでは特定技能介護人材の採用から受け入れ後の支援まで、一気通貫でサポートするサービスを提供しています。独自の教育機関で日本語・介護スキルを磨いた優秀な外国人介護人材を紹介し、登録支援機関として入社前後の各種手続きや日常生活支援までまとめてお手伝いいたします。
実績のあるプロに任せることで、初めての外国人採用でも安心してスタートできます。興味をお持ちの施設様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。JQCの専門スタッフが貴社の状況に合わせて最適なプランをご提案し、外国人介護人材の活用を全力で支援いたします。
人手不足解消と職場活性化の新たな解決策として、特定技能「介護」人材の受け入れは大きな可能性を秘めています。本ガイドを参考に、ぜひ次の一歩を踏み出してみてください。必要なときはJQCが伴走いたします。一緒に、未来の介護現場を支える力強い仲間を迎え入れましょう!

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