

2025年11月27日
まず読みたい記事特定技能(介護)の受け入れの流れと期間|申請から就業開始までのスケジュール
Direct Answer
特定技能(介護)で海外から人材を受け入れる場合、内定(雇用契約)から就業開始までの目安は3〜6ヶ月、募集開始から数えると4〜8ヶ月です。
最も時間がかかるのは在留資格認定証明書の交付申請にかかる審査で、1〜3ヶ月(出入国在留管理庁の標準処理期間。直近の公表平均は68.2日=約2ヶ月強)。ここは施設側が作業をしても短縮できない「待ちの期間」です。
したがって4月に入職してほしい場合、前年の8〜10月には募集を開始する必要があります。すでに日本国内にいる外国人を採用する場合は在留資格の「変更」となり、内定から1.5〜3ヶ月に短縮できます。
この記事でわかること
- 内定から就業開始までの全体スケジュール(海外から/国内在留者からの2パターン)
- 工程ごとの所要期間と、施設側が動く工程・待つだけの工程の区別
- 「○月に入職してほしい」から逆算する募集開始時期
- スケジュールが遅れる典型的な5つの要因と、その回避策
- 期間を短縮するために施設側でできること
用語定義
- 在留資格認定証明書(COE):海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合に、入国前に取得する証明書。これがないと現地で査証(ビザ)の申請ができません
- 在留資格変更許可申請:すでに日本にいる外国人が、別の在留資格(例:技能実習2号 → 特定技能1号)に切り替える手続き
- 事前ガイダンス:入国前に、日本での働き方・生活について本人に説明する法定の支援。実施しないと在留資格の申請が通りません
- 支援計画:特定技能外国人に対して行う支援の内容を定めた書面。申請時の提出書類の一つです
Key Facts
- 内定から就業開始までの目安:海外から3〜6ヶ月/国内在留者から1.5〜3ヶ月
- 募集開始から就業開始までの目安:海外から4〜8ヶ月
- 在留資格認定証明書の交付申請にかかる審査期間:標準処理期間1〜3ヶ月(直近公表の平均68.2日/令和8年6月許可分・外食業分野を除く)
- 在留資格変更許可申請(国内在留者)の審査期間:標準処理期間1〜2ヶ月(直近公表では審査終了まで平均47.1日)
- 4月入職を目指す場合の募集開始時期:前年8〜10月
- 受け入れ人数の上限:事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えられない(2026年8月時点でも維持)
- 就業開始後の義務:年1回の定期届出(2026年4月に四半期ごとから変更。毎年4/1〜5/31に前年度分を提出)
内定から就業開始まで、どれくらいかかる?──全体スケジュール

海外から呼び寄せる場合:内定から3〜6ヶ月
結論:海外にいる人材を受け入れる場合、内定から就業開始までの目安は3〜6ヶ月です。工程は5つに分かれ、そのうち施設側が実際に作業をするのは3工程だけです。
工程 | 所要期間の目安 | 施設側は | 主な作業 |
|---|---|---|---|
① 募集・選考 | 1〜2ヶ月 | 動く | 候補者の募集、要件確認、オンライン面接、内定 |
② 雇用契約・申請準備 | 3週間〜1.5ヶ月 | 動く | 雇用契約の締結、事前ガイダンス、支援計画の作成、申請書類の準備 |
③ 在留資格認定証明書の審査 | 1〜3ヶ月 | 待つ | (出入国在留管理庁の審査) |
④ 査証申請・渡航手配 | 3〜6週間 | 一部動く | 現地での査証申請、航空券手配、住居の最終確定 |
⑤ 入国〜就業開始 | 1〜2週間 | 動く | 空港送迎、住民登録・口座開設等の同行、生活オリエンテーション |
①を除いた②〜⑤の合計が「内定から就業開始まで」=3〜6ヶ月、①を含めた合計が「募集開始から就業開始まで」=4〜8ヶ月です。
国内にいる外国人を採用する場合:内定から1.5〜3ヶ月
結論:すでに日本にいる方(技能実習2号を修了した方など)を採用する場合は、渡航と査証の工程がなくなるため、期間を半分程度に短縮できます。
工程 | 所要期間の目安 | 施設側は |
|---|---|---|
① 募集・選考 | 2週間〜1ヶ月 | 動く |
② 雇用契約・申請準備 | 2〜4週間 | 動く |
③ 在留資格変更許可の審査 | 1〜2ヶ月 | 待つ |
④ 就業開始準備 | 1〜2週間 | 動く |
ただし国内在留者は他施設との競合になりやすく、募集そのものの難易度は海外からより高いのが実情です。「早いから国内」と単純には判断できません。
💡 この2パターンの違いは、制度の理解が前提になります。特定技能の制度全体は特定技能『介護』徹底ガイドで解説しています。
工程別に見る:施設側が「動く」工程と「待つ」工程
① 募集・選考(1〜2ヶ月/施設が動く)
やること:候補者の募集、要件の確認、面接、内定。
確認が必要な要件は次の3点です。
- 試験の合格:介護特定技能評価試験の「技能」と「日本語」に合格していること(2026年4月に旧「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」から名称変更)、および日本語能力試験(JLPT)N4以上またはJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)の合格
- 免除ルートの確認:介護職種の技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験・日本語試験がいずれも免除されます(介護以外の職種の修了者は、介護分野の日本語試験のみ受験が必要)
- 自施設が受け入れ可能か:受け入れ人数は、事業所の日本人等の常勤介護職員の総数が上限です。なお訪問介護などの訪問系サービスは、従来は従事できませんでしたが、2025年4月の制度改正により、初任者研修等の修了と原則1年以上の実務経験を持つ人材に限り、事業所側の要件(研修・同行OJT・利用者への書面説明等)を満たせば従事可能になりました。配置・人数のルールの詳細は別記事で解説します
面接は初回からオンラインで問題ありません。日本語での簡単なやりとりができるか、介護職への意欲があるかを確認します。
⚠️ ここで最も期間に影響するのが「試験に合格しているか」です。 未受験の候補者を選ぶと、受験から合否確定までの期間がそのまま後ろに乗ります(詳細は後述の遅延要因②)。
② 雇用契約・申請準備(3週間〜1.5ヶ月/施設が動く)
やること:雇用契約の締結、事前ガイダンスの実施、支援計画の作成、申請書類の準備。
この工程が実質的にスケジュールを左右します。①の選考と並行して書類を準備しておけるかどうかで、1ヶ月近く変わります。
主な準備物:
- 雇用契約書(報酬は日本人と同等以上・直接雇用のフルタイム)
- 支援計画(法定10項目の支援内容を記載)
- 施設側の書類(登記事項証明書、決算書類、労働保険関係など)
- 本人側の書類(試験の合格証明、パスポート写しなど)
- 事前ガイダンスの実施記録
支援を自社で行うか登録支援機関に委託するかで、誰が何を準備するかが変わります。判断材料は登録支援機関に委託するか、全て自社で行うかにまとめています。
③ 在留資格の審査(1〜3ヶ月/待つ期間)
やること:基本的にありません。ここは待ちの期間です。
海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書の交付申請、国内にいる方の場合は在留資格変更許可申請を行います。出入国在留管理庁の標準処理期間は認定証明書が1〜3ヶ月・変更許可が1〜2ヶ月で、直近の公表値では特定技能1号の認定証明書交付申請は平均68.2日(約2ヶ月強)、変更許可申請は審査終了まで平均47.1日です(令和8年6月許可分・外食業分野を除く)。いずれも施設側の努力で短縮できません。
だからこそ、この期間を前提に逆算する必要があります。逆に言えば、この1〜3ヶ月を「待ち」として計画に織り込んでいれば、スケジュールは崩れません。崩れるのは、審査期間を1ヶ月と見込んで3ヶ月かかったときです。保守的に3ヶ月で見ておくことをおすすめします。
⚠️ 書類の不備で追加資料を求められると、この期間が実質的に延びます。②の準備の精度が、そのまま③の長さに跳ね返ります。
④ 査証申請・渡航手配(3〜6週間/一部動く)
やること:住居の最終確定、受け入れ体制の整備。査証申請と航空券手配は本人・現地側が中心です。
在留資格認定証明書が交付されたら、本人が現地の日本大使館・総領事館で査証を申請します。並行して施設側は次を進めます。
- 住居の確定(家具・生活必需品まで揃える)
- 空港への出迎え担当の決定
- 現場スタッフへの共有、メンター役の任命
⑤ 入国〜就業開始(1〜2週間/施設が動く)
やること:空港送迎、生活オリエンテーション、各種手続きの同行。
来日後すぐに必要になるのは、住民登録・健康保険の加入、銀行口座の開設、携帯電話の契約などです。これらはいずれも同行支援が必要で、入国から就業開始まで1〜2週間は生活の立ち上げに充てるのが現実的です。初日からフルシフトに入れる計画は無理があります。
就業開始後の教育・定着については外国人介護人材の定着・教育 完全ガイドで解説しています。なお受け入れ後は出入国在留管理庁への届出義務があります。定期届出は2026年4月から年1回(毎年4月1日〜5月31日に前年度分を提出)に変わりました。雇用契約の変更・終了時などの随時届出は、引き続き事由発生から14日以内です。
「○月に入職してほしい」から逆算するスケジュール

結論:就業開始の希望月が決まっているなら、海外から呼び寄せる場合は6〜8ヶ月前、国内在留者なら3〜4ヶ月前に動き始めてください。
4月1日入職を目指す場合(海外から・保守的に見た場合)
時期 | やること |
|---|---|
前年 8〜9月 | 募集開始・候補者の選考 |
前年 10月 | 内定・雇用契約の締結、事前ガイダンス、申請書類の準備 |
前年 11月 | 在留資格認定証明書の交付申請(← ここから待ちの期間) |
2月上旬 | 認定証明書の交付、査証申請・渡航手配、住居の最終確定 |
3月中旬 | 入国、生活立ち上げ(住民登録・口座開設等) |
4月1日 | 就業開始 |
審査を1ヶ月で通れば前倒しできますが、遅い方に合わせて計画するのが実務の基本です。早く入国できた場合は、生活の立ち上げ期間に余裕を持たせられます。
よくある失敗
「4月に人手が足りないから、1月に動き始める」——これが最も多いパターンです。審査だけで3月末までかかり、入職は5〜6月にずれます。人手が足りない時期の半年以上前から動く必要があります。
スケジュールが遅れる典型的な5つの要因
① 申請書類の不備(最も多い)
追加資料を求められると、審査期間が実質的にやり直しに近い形で延びます。②の準備工程を急ぐと、③でその倍以上の遅れになるという構造です。
回避策:書類は選考と並行して準備を始め、提出前に第三者の目で確認する。委託する場合は、施設側が用意する書類と支援機関が用意する書類の分担を最初に確定させる。
② 候補者が試験に合格していない
介護特定技能評価試験はCBT方式で、日本国内のほかカンボジア・インドネシア・ネパールなど海外13ヶ国(2026年度時点)でほぼ通年実施されています。ただし開催日は国・会場により異なり、未受験の候補者を選ぶと受験準備から合否確定までの期間がそのまま加算されます。不合格ならさらに次の受験まで延びます。
回避策:合格済みの候補者に絞る。または、教育機関で試験対策まで済んでいる人材を紹介できる機関を選ぶ。
③ 住居の確保が間に合わない
住居の確保は法定の支援項目に含まれます。入国直前になって物件が決まらないと、渡航日を動かすことになります。
回避策:在留資格の申請と同時に物件の目処をつけ、審査中に仮押さえまで進めておく。
④ 審査が混み合う時期に重なる
年度替わりなど申請が集中する時期は、審査に時間がかかる傾向があります。
回避策:4月入職に全社が集中するため、入職時期を4月以外にずらせるかを検討する。可能なら混雑期を外すだけで数週間の差が出ます。
⑤ 本国側の手続きが止まる
パスポートの更新、現地の出国前手続き、送出機関側の書類など、日本側からは見えない工程で止まることがあります。
回避策:現地側の進捗を定期的に確認できる体制を持つ機関と組む。送出機関と直接つながっている機関であれば、状況把握が早くなります。
期間を短縮するために、施設側でできること
短縮できる工程と、できない工程を切り分けて考えます。③の審査期間(1〜3ヶ月)は短縮できません。短縮できるのは①②④⑤です。
できること | 効果の目安 |
|---|---|
書類準備を選考と並行して進める | ②を2〜3週間短縮 |
試験に合格済みの候補者に絞る | 数ヶ月の待ちを回避 |
住居を審査中に仮押さえしておく | ④の遅延リスクを解消 |
委託先との役割分担を最初に確定させる | ②の手戻りを防ぐ |
入職時期を混雑期から外す(4月以外) | ③の実質待ちを数週間短縮 |
逆に、期間を縮めるために書類の精度を落とすのは逆効果です。①の不備は③で倍返しになります。
JQCの場合の進め方
JQCは、送出機関・介護教育大学(CIJT)・登録支援機関の3機能をグループで運営しています。そのため次の点で、スケジュール上のリスクを抑えられます。
遅延要因 | JQCの場合 |
|---|---|
② 試験の未合格 | CIJTで2年間(日本語820時間+介護実技180時間)の教育を修了した人材をご紹介します |
⑤ 本国側の手続きが止まる | 送出機関を自社グループで運営しているため、現地の進捗を直接把握できます |
① 書類の不備 | 施設側にご用意いただく書類を最初に一覧でお渡しし、分担を確定させます |
実績として、3年定着率98%・失踪率0%です。
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よくある質問
Q1. 最短ではどれくらいで就業開始できますか?
国内にいる方を採用する場合、内定から1.5ヶ月程度が最短の目安です。 海外から呼び寄せる場合は、審査が1ヶ月で通り、候補者が試験に合格済み、住居も確保済みという好条件が揃って3ヶ月程度です。ただし審査期間は施設側で調整できないため、最短を前提に計画を立てるのは避けてください。
Q2. 4月入職を目指すなら、いつ募集を始めるべきですか?
前年の8〜10月です。内定を10月、在留資格の申請を11月に出す想定で、審査を保守的に3ヶ月と見ています。1月開始では、審査だけで3月末までかかり入職は5〜6月にずれます。
Q3. 在留資格の審査はどれくらいかかりますか?
1〜3ヶ月が目安です。海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書の交付申請(標準処理期間1〜3ヶ月・直近公表の平均68.2日)、国内にいる方の場合は在留資格変更許可申請(標準処理期間1〜2ヶ月・審査終了まで平均47.1日)となります。処理期間は月ごとに変動するうえ、書類の不備で追加資料を求められると、さらに延びます。
Q4. 日本国内にいる外国人を採用したほうが早いのでしょうか?
手続きの期間は確実に短くなります(内定から1.5〜3ヶ月)。ただし国内在留者は他施設との競合になりやすく、募集の難易度は上がります。また、入国前教育を受けていない場合は、入職後の教育コストが増える可能性があります。期間だけで判断せず、教育の状態も含めて比較してください。
Q5. これらの手続きは自社だけでできますか?
制度上は可能です。 ただし支援計画の作成、法定10項目の支援、年1回の定期届出や随時届出まですべて自社で行う必要があります。判断材料は登録支援機関に委託するか、全て自社で行うかで整理しています。
Q6. 費用はどのタイミングで発生しますか?
人材紹介料は内定〜在留資格申請の段階、渡航費・住居初期費用は入国直前、支援委託費は就労開始月からが一般的です。金額の相場は特定技能(介護)の費用・料金完全ガイドをご覧ください。
Q7. 受け入れ人数に上限はありますか?
あります。 事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えて受け入れることはできません。なお訪問介護などの訪問系サービスは、2025年4月の制度改正により、実務経験原則1年以上などの要件を満たす場合に限り従事できるようになりました。配置や人数のルールは制度の運用に関わる論点が多いため、別途詳しく解説します。
まとめ
- 海外から受け入れる場合、内定から就業開始まで3〜6ヶ月、募集開始からは4〜8ヶ月
- 国内にいる方の採用なら、内定から1.5〜3ヶ月に短縮できる
- 最も長いのは在留資格の審査(1〜3ヶ月)で、ここは施設側では短縮できない
- したがって4月入職なら前年8〜10月に募集開始。人手が足りない時期の半年以上前から動く
- 遅れの原因は「書類の不備」「試験の未合格」「住居の未確定」が中心で、いずれも事前準備で防げる
スケジュールは「審査の1〜3ヶ月を待ちとして織り込めているか」で決まります。ここを楽観的に見積もったときだけ、計画は崩れます。

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